INFP受験生の性格傾向・勉強法・志望校設定

 ネットでは幅を利かすINFPですが、本来は少数派です。ただ、こちらもENFP同様自立心があまり高くないので塾ではそれなりに目にする気がします。

 「社会的なスキルが低い」とか「要領が悪い」とか、散々なスティグマを受けている彼らですが、IQテストでは我らがENTPを上回る結果を残すこともあるらしく、決してポテンシャルは低くありません。

 覚えが速く、性格も温厚でかわいらしいのであれもこれも教えたくなりますが、Te劣勢のため内面で蓄えている概念や知識を外界で表すことに慣れていませんから、ENFPと違って実践的な場面が苦手です。学んだことを一つ一つ着実に使いこなせるように監督していく必要があります。

 性格の特徴

・Fi優勢のため気分屋。ENFPと違って気分が乗らない時でも頑張ろうとはするが、明らかに効率は落ちる。

・頭の回転自体は速いので、文系理系問わず適性を見せる。ただ興味関心はステレオタイプ通り文系科目に強く持つことが多い気がする。

・Ne持ちなので本来アドリブに強いはずだが、常日頃自分の世界観を不用意に外面に表出させないように気を配って生きているため、Neで得たイメージを活かしてどうこうするのがとても苦手。Te劣勢による傾向と対策の甘さも相まって、ENFPと違ってあまり本番に強くない。

・ただNe自体は勉強中も試験中も活発なので、ふとしたタイミングで集中力が切れてしまうことがある。要は試験においてはNeの悪い面が出やすくなっている。

・あまり表情が豊かでなく、行動を見ていてもすぐマイペースだとわかるので、日頃何も考えていないと思われがちだが、頭の中では常にイメージが巻き起こっている。

・なので、こちらからの問いかけに反応が薄かったりしたとしても適当に返事をしているわけではなく、勝手に次から次へ洪水のように押し寄せるイメージに対処することでいっぱいいっぱいとなり、外部からの情報に応答する余裕があまりないだけである

・ENFPはあふれるイメージをそのまま外面に表出させるのでわかりやすいが、INFPはとにかく何を考えているか分からない。多分本人もわかっていない。

・何か本人にとって大きな事件が起きた時は、頭の中でイメージが大洪水をおこしただただ圧倒される。しかし、現実を自分の世界観と調和させながら時間をかけてそのイメージを消化していくので、この世の終わりみたいな顔をしていても1週間後にはケロッとしていることもある。

指導法

 Fiがメイン機能であるので頑固というイメージが強いですが、心を許した相手のことはとにかく慕います。落ち込んでいたらひたすらに勇気づけ、上手くいったのであればひたすらに褒めましょう。変な「もしも」の話には全力で乗っかってあげましょう。その上で信頼関係を築けたら、「この人の言うことなら」と一生懸命アドバイスを聞いてくれます。気分屋なので完璧に取り組めるかはわかりませんが、少なくともENFPのように忘れたフリはしません。

 ただ、Fi-Neにより他人の機微にはすべてのタイプで最も敏感なので、「この人は信頼に値するか」というジャッジは厳しいです。あからさまなリップサービスは一瞬でバレますので心してかかりましょう。

 Fi優勢のマイナス面としてわがままです。信頼関係が強くなるほどそういう面が出てきてこちらが面食らうこともあるかもしれません。こうなるとENFPと同様無制限に甘えてくるので、酷くなりそうな時はピシャリと抑えることも必要です。

 勉強面ではやはりTeの弱さが目立ち、模試などで結果が出ると理想にたどり着くまでの道のりの果てしなさにすぐ圧倒されてしまいます。個人個人のすっぴんのステータス次第ではありますが、特にTeが弱い生徒の場合はスケジュールの策定から実際の指導、その効果測定に振り返りと1から10まで監督することを覚悟してください。Teが比較的強かったとしても感情のケアは必須です。

 なんだかんだあって知識がしっかり定着してしまえばNeの応用力を活かしてそれなりに結果は出してくれますから、辛抱強く接しましょう。代替機能がSiなので、アドバイスすると頑張って活かそうとはしてくれるでしょう。ENFPと違って。

 ポーカーフェイスに見えるので、教えていても反応が薄く自分の指導が本人に適しているのか不安に感じることもあるでしょうが、よく見ると10しんどいときはちゃんと10しんどい顔をしています。つまり、本当にそりが合わない講師と接している時はちゃんとそういう顔になります。無表情であなたの意見を聞いている時は、あなたを信頼しているからこそ言った言葉を頭の中で一生懸命咀嚼しているだけなのです。変に気負うことなく、生徒のためを思ってお世話をしていきましょう。

志望校設定

 あまり自分に自信が持てないことが多いですが、理想的な自分を想像することは好きなので、激励する意味を込めて少し高い志望校を目指してもらうとやる気を出します。

 彼らが国立や早慶マーチを志望する場合ある程度Fiのふんぎりがついているはずなので、多少無理難題を言っても一生懸命食らいついてくれるはずです。

 褒めて伸ばすのが基本ですが、Teグリップを起こした時におべっかを使いすぎると逆効果なので、ちゃんと信頼関係を築くことができたら時には突き放しましょう。本来の頑固さがいい方向に働くはずです。(しっかり感情を表出してくれた時はちゃんと共感してください!)

 Fiの必殺技である「からにこもる」が発動するとやっかいで、これもENFPと違って一見話を聞いてるように見えますが、全く聞いてないです。

 そもそもこもり先として苦しい時に頼ってもらえるように、日頃から感情的なサポートを忘れないようにしましょう。

 なお、それでも地雷は存在します。特にですが、指導する側がNT族の場合は地雷を踏まないように慎重に言葉を選びましょう。(NT族が頭で考えていることは本来あまりにも無神経だということを自覚してください!ENFPは地雷を踏んでも1時間で忘れますが、INFPは一生忘れません。恩は忘れたフリをするかもしれません)

 志望校が高い場合は、進捗度を慎重に管理しましょう。彼らは正確に現状を認識することが苦手なので、普通の生徒以上に本当にできているか確認する必要があります。

 ちなみに、日頃から頭の中で浮かび上がるイメージを必死に言語化しようとしているため、小論文や論述問題はそれなりに得意です。勉強がうまくいっているのであればSFC以外の慶應や上位国公立などを勧めてもいいでしょう。