お笑い芸人のMBTI分析④:くりぃむしちゅー

 久々にお笑い芸人の分析です。

 

有田哲平:ENTP

 これは分かりやすいと思います。破天荒であらゆる角度から手数を打っているように見えますが、どのボケも筋が通っていて論理的です。状況や相手の性格を適切に読み取って相手を先回りするようなボケを得意としています。

 いまだに大量の信者を抱える「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」でも、上田の性格、プライベート、これまでのエピソード、現在の芸能界の立ち位置など、全てをフックとして笑いを取っていました。

 そして、今では結婚して影を潜めましたが、かつては基本的にはいじられ役である一方で、相手の厳しい追及を常に屁理屈で切り抜ける(その屁理屈をボケにする)スキルを持った芸人でした。

 ENTPの特徴として、いじられ役になるのも得意ですが、根本的に場の主導権は常に自分が握りたいというものがあります。そういう点では同じENTPの南海キャンディーズ山里なども当時の有田と類似タレントだと言えます。いじられ上等ではありますが、本質的には相手の先を読んで巧妙に切り返すことで流れをコントロールし、思い通りに笑いを生み出していくのがENTPの十八番です。「下から関節を決める」という言い回しはまさに言い得て妙だと思います。いじられキャラに見えて本質はいじりキャラなのです。よくインターネットのステレオタイプではドSキャラだと言われますが、表面的にドSに見えるとは言い切れません。いわゆる「勝ち芸」ではありませんが、より広い意味で場の空気を支配したいという欲求ではENTPは16タイプでも屈指でしょう。クロちゃんもENTPだと言われますが、彼などはまさにそのタイプであると言えます。

 また、有田のENTPっぽさは、正真正銘の「いじる側」となる脱力タイムズにおいても顕著です。芸人ゲストのいじられポイントを論理的に把握し、番組のすべての仕掛けが時計仕掛けのように作用してゲストをいじる流れになっています。有田が番組の進行に対して大きな影響力を持っていることは様々なゲストや「有識者」の証言からは明らかです。そういう面からも有田がENTPであることは疑いようもないでしょう。まさに本性を現したと言えます。

 加えて脱力タイムズのMBTI的な注目ポイントとしては、芸人ゲストの力量に応じて、ゲストに求める力量を常に巧妙に調整しているという点が挙げられます。有田はすべてのゲストに対して平等に接しているように見えますが、企画的にはお世辞にも「有田は平等な人だ」とは言えません。具体名を言うと、トレンディエンジェル斎藤や四千頭身後藤など、あまりお笑い的に地肩が強くないと言えるゲストの時は、必ずと言っていいほど芸人にスポットが当たらない実験的な企画を放り込んでいます。ENTP仲間として、有田としては「おいしく使ってやった」と考えているのだろうと推測しますが、見る人から見れば血も涙もない使い方であると見えなくもありません。この推測が正しければ、TiとFeにより合理的であることがなによりも周りのためになると考える点がとてもENTP的です。

 そして、上田が仲の良い爆笑問題太田とはあまり仲が良くないようです。実際にはボキャブラ世代の旗手である太田と不仲なわけがないのですが、実際に共演はほとんどありません。しかし、有田が自身のシナリオを壊されたくないということで太田との共演を避けているらしいという噂を聞いてとても納得しました。ENTPはあくまで自分の「笑いの方程式」を崩されたくないのです。

 以上の点から、有田をENTPとしてほとんど間違いないように思います。

 

上田晋也:ESTP

 ESTJ説もよくささやかれますが、少なくともJではないと思います。今でこそ上田はしっかりしているというイメージがありますが、元々有田以上の破天荒キャラであり、オールナイトニッポンリスナーであればそのエピソードについての枚挙に暇がないでしょう。くりぃむしちゅーの突破力担当は有田ではなく上田です。面白いと思ったらやばいことでも躊躇せずにやるのは上田の方です。

 受験でも浪人したらきっちりと早稲田に受かってしまう点も「しっかりしているエピソード」と言えますが、受験生時代大変だったというエピソードもなければ、早稲田に落ちた有田に対して「お前は立教の方が合ってる」と言い放ってしまうのもとてもESTP的です。だってどう考えても早稲田の方がいいわけですから、Jであればそこは頑張って言い方を考えてしまうはずです。Teが発動してしまうと、社会一般で考えられていることと反するようなことを言う時に躊躇してしまいます。そして有田に合わせてせっかく受かった早稲田をあっさり退学してしまうのもとてもESTPです。ESTJであればもっと葛藤と戦うことになったでしょう。

 売れ方としても、海砂利水魚時代に上田がどうこうして試行錯誤したという話はあまり聞きません。戦略的に売れたというよりも、あまりにも個人的なスペックが優れすぎていて好き勝手やっている間に世間に見つかったと考えるのが自然でしょう。若手時代の上田と言えばロンドンハーツの「クルトン上田」のイメージが強い人もいるかもしれませんが、これもTe的戦略で美人とどうこうしたいと言うよりは単純に美人に頼まれたから嫌な気がしなかったというだけな気がします。感情はT型でもJ型でも当然持ち合わせていますし、ESTPのFeが発動しただけだと思います。

 現在ではまともな番組のスポーツキャスターであったり大型番組のMCを務めるなどまさに「まともな人間」の代表格であるような面をしていますが、仕事相手であるゲスト俳優や女優の経歴もろくに調べないなど、番組を成立させることが第一であるMCとは思えない振る舞いを当たり前のようにしています。とてもESTJであるとは言えないでしょう。偏にTi的な本人のトークスキルや頭の回転により上手く成立させていると考える方が自然です。

 それじゃあENTJはどうなんだとも考えましたが、やはり本人の振る舞いにNiやTeは感じませんし、なんだかんだで自身が絶大な影響力を持っているはずの芸能村に一切興味を持たず、ごまかしながら個人のスペックでこなしていることは明白です。本人のTeが強いならば「俺が最強」と振舞いたいはずで、爆笑問題など最も邪魔な存在になるはずです。太田上田のように太田を立てながらコントロールする立場に甘んじる?ことはないでしょう。太田上田でのどの回も上田は心底楽しそうにしていて、太田を蹴落としたいという感じはみじんもありません。そういう意味では上田にTeを認定するのは難しいように思えます。Niが弱い理由は直接的には見つけられませんが、上田からはとにかくTeを感じないのです。

 さらに、有田の巧妙ないじりに対して観察からツッコミを入れるのもESTP的です。有田の洞察のさらに上を行こうという感じはせず、ありのままの観察からおかしな点を指摘していきます。上田がしっかり自分のボケを受け取るから、有田も安心してボケることができます。あくまでいじられワードに真正面から対応していこうとする態度もS的です。

 

まとめ

 以上、くりぃむしちゅーのMBTI分析をしてみました。有田のENTPは他のサイトでもちょこちょこ書かれているとは思いますが、上田がESTPであるというのはあまりどのサイトにもないことだと思います。どうでしょう、破天荒エピソードはもちろんの事ですが、何気に上田がモノマネがうまいこと(Se)にもESTPを感じないでしょうか。さらに意外とサービス精神が旺盛であるという事(Fe)もとてもESTP的です。

 上田は言うまでもありませんが、有田も脱力タイムズの出口先生から「サラリーマンだったら超有能社員だった」と言われるようなハイスペックの持ち主です。そういう人を心理的に分析していき、強みの活かし方を研究していくことで、自分にも還元していけるとMBTIを知ってよかったと思えそうですね。