MBTIにタイプ別に向いている受験方式 指定校で安定?一般以外の選択肢で戦うべきタイプとは

 僕が大学入試を経験したのは10年以上前で、そのころにはすでに一般入試以外の選抜方法もある程度浸透していました。現在ではその傾向はさらに強まっており、一般入試だけを見据えて進学を考えると損をしてしまう可能性があります。

 現状早慶や難関国公立以上の場合、まだまだ公募や総合選抜はスーパーマンや謎のお金持ちが受けるものであり、早慶指定校も地域トップ高校などのわずかな「選ばれし者」のみ持ちうる選択肢です。

 しかし、マーチ以下、さらに言うと日東駒専以下の大学を第一志望として目指す方にとっては、もはや一般入試で受ける方が少数派となりつつあります。某学歴系youtuberがたまに動画で言及している通り、日東駒専の中には公募/選抜型であれば倍率1.0を切るところも存在します。

 30代の方であれば私立の指定校推薦は馴染みが深いと思います。私も高校時代に早稲田と慶應に指定校で入った同級生に嫉妬したものです。しかし、今ではこれに加えて公募推薦や総合選抜型(旧AO)も非常に幅広く普及していて、進路を指導する立場としてはこういった入試方式を幅広く検討しなければなりません。私もこれまで一般選抜を常に念頭に置いて仕事をしていたのですが、いつまでたってもそういう訳にはいきません。ちょうどブログのお題を切らしていたこともあるので、勉強がてら記事にすることにしました。

 念のため断っておきますが、大前提として大学受験で問われるのは本人の能力、特性、意欲および興味関心です。ここではMBTIを活用していますが、例えば「INTPだから無条件に一般選抜を選ぶべき」「ISFPだから一般はやめておく」と言う風に考えてはいけません。あくまで各タイプの特性を一般化した話であり、さらに僕の浅い知識と経験から導いた傾向にすぎません。

 さて、予防線を張ったところで僕が考える各入試特性と各MBTIタイプの適性は以下の通りです。

  一般 指定校 公募推薦 総合選抜型
ISFP
ESFP
ISTP
ESTP ×
INFP
ENFP
INFJ
ENFJ
ISFJ
ESFJ
ISTJ
ESTJ
INTP
ENTP ×
INTJ
ENTJ
 もう一度言いますが、大前提として生徒の能力次第です。◎が多いからこのタイプが偉いというわけではありません。ただし、もしかしたら大学や文部科学省はそういったタイプを偉いと思っているかもしれません。いずれにせよ、僕がどう思っているという話ではないです。どうでしょう、NTJとSJがいかに社会から求められているかがわかると思います。

 

<一般入試>

 NT型は基本的に向いています。イメージ通りですね。全部◎になっていますが、特にNTPが向いています。Tiのパターン認識能力はいつの時代もペーパーテストには抜群に相性がいいです。そういう意味ではISTPも一般入試に向いています。ESTPは退屈な勉強を続けられるのかちょっと人によるのでその分マイナスしましたが、ポテンシャル自体は充分にあると思います。

 以前共通テストに向いている性格タイプの記事で話しましたが、Neもペーパーテスト向けの心理機能です。大学入試のペーパーテストでは受験まで粘り強く勉強を続けていくことも大事ですが、本番時点での対応力も同じくらい大事です。受験勉強においては、学んだことを完璧に覚えて反射的にアウトプットを行えるまで反復を繰り返すのが鉄則ですが、本番では想定外の出題をされることもありますので、「何となく覚えている」「どこかで見た」ことを実戦で活かすような反射神経も大事になります。

 

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 だとすればINFP/ENFPはどうなんだというところですが、どうしても集中力と言う点で難がありますから◎にしませんでした。ただ、Fiはうまく活用すれば受験勉強を耐え抜ける可能性を秘めていますから、「なぜこの大学に入りたいのか」「なぜこの大学でなければだめなのか」という自己探求を突き詰めることが出来れば、充分一般入試で成功することができるでしょう。僕の生徒でも、典型的なINFPの生徒が何度もくじけそうになりながら、何度も上手くいかずに涙を流しながら、何度も将来のイメージを繰り返してモチベーションを維持しつつ受験戦争を耐え抜き、無事第一志望の難関国公立に合格していました。本人のポテンシャルも高かったですが、Fi-Neがうまく活きた例だったと思います。(完全に余談ですが、その彼女は塾の最終登校日の帰りにお迎えを待つ間塾の看板を眺めているといろんな感情が高ぶってきて涙が止まらなかったらしいです。INFPが過ぎる笑)

 

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 これはISFP/ESFPについても同様です。「どうしてもこの大学でこれから過ごしたいんだ」と思うことが出来れば、Fiは最も強い心理機能となります。表面的に流されやすいのが難点ですが、その覚悟を決めるのはあくまで自分の心です。ここではNeがない分△にしましたが、本当にその受験科目を好きになることが出来れば一般入試でも十分力を発揮する可能性があります。Fiを呼び起こすためには「何となくかっこいいから」「何となくすごいから」ではダメです。何が何でも志望校に合格するんだと思えるまで24時間自己分析を繰り返しましょう。

 

 INTJ/ENTJはNeもTiも持っていませんが、効果的な学習を意識しながら粘り強く行えるという点では圧倒的に有利なので◎にしました。勉強内容が効果的かを考えながら取り組めるのはTeの特権です。そして彼らの何がすごいかって、学習を全く苦だと思わない点です。現在の生徒に一人だけINTJがいますが、不十分な点を指摘すると必ず来週には修正してきます。INTP/ENTPはすっぴんのセンスという観点では比類ありませんが、どうしてもそういう部分が弱いので、合格者の枠をINTJ/ENTJにさらわれないようにしましょう。まさにアリとキリギリスです(どっちもハイレベルですが)。

 SJ型は全般的にコツコツと頑張るのを得意としているので〇になっています。あとは過去問や類似問題のやりこみ次第でしょう。共通テストへの適性はいまいちですが、とにかく対策を繰り返すことができるので、諦めない心さえ持っていればそれなりに対応できるでしょう。

 

 <指定校推薦>

 みんな大好き指定校推薦です。まず、使える人はじゃんじゃん使いましょう。日東駒専未満であれば間違いなく最もコスパがいい受験方式です。上位大学だとしてもひそかに高校内で余っている枠があったりするので、必ずリサーチしておくようにしましょう。

 向いているMBTIタイプですが、イメージ通りSJ型の独壇場です。指定校推薦は高校内での評価ですべて決まりますから、3年間まじめに取り組んできたSJ型が圧倒的に有利です。選考過程はほとんど高校内で完結しているので、苦手とするNeやTiを求められる機会はありませんから、ある程度結果を残してきたのであればそれだけで決まったようなものでしょう。在籍高校に興味のある枠が存在しているのであれば、問答無用で狙うべきです。INFJは中では激しい炎をたぎらせている可能性がありますが、基本的に猫をかぶるのは上手です。進路先はサクッと指定校で決めてしまい、大学で本領を発揮するのもいいでしょう。

 ISTP/INTPは定期テストでは優秀かもしれませんが、やはり内申に不安があります。「結果内申がいいから指定校出してみよう」となればいいですが、最初から指定校で大学を狙うのは避けた方がいいかもしれません。いずれも一般入試に適性がありますから、最初から一般入試に絞っていれば充分に優秀な国立大学に入れる可能性があります。ただ、中学校と違って高校はしっかりテストで点が取れていれば内申が取れるかもしれないので、最初から私立志望の場合は狙ってみましょう。

 ESTP/ENTPはよりその傾向に拍車がかかっています。ちゃんとやっていれば内申は取れるかもしれませんが、高校の先生相手に効果的な面接が出来るとは思えませんから、基本的には指定校をあてにしないようにしましょう。大人たちはあなたの事があまり好きじゃないです。

 INTJ/ENTJも向いているんでしょうが、現状指定校推薦を活用するのは現状の学力よりワンランク落として安定を求める人が多いイメージです。偏差値65の高校のトップ層は早慶、60のトップ層でかつガツガツしていない人はマーチに行く感じだと思います。彼らは難関大学を目指せるレベルであれば一般受験でより高い偏差値を目指していく傾向が強いという意味で〇にしています。

 

 <公募推薦

 高校の校長の推薦が必要なことは指定校と同じですが、推薦されればほぼ決まりの指定校と異なり、高校の推薦をもらったとしてもその後大学側との面接などでふるいにかけられます。

 この出願方式では、いかにその大学に入りたいかと言う熱意の表明が大事になってきますが、ENFJ/ENTJはきわめて向いているでしょう。芯の通った志望動機を書くことが出来ますし、いずれのタイプもこれまで能動的に活動をしてきたはずですから、大学側へのアピール題材を豊富に持ち合わせている可能性が高いです。また、表現する能力も高いので面接でいい印象を持たせやすいです。

 そのほかは、いかに志望動機を磨けるかという点が大事でしょう。面接を恐れる生徒も多いですが、しっかり自分で志望動機を考え抜くことが出来たら、いずれ志望動機のコアが生まれるはずです。大人との面接とは言っても、ほとんどの場合は志望動機から答えを導き出せる質問しか飛んできません。(理系の場合は専門科目の口頭試問があるので注意)

 表現力や創造力を発揮して受け答えが出来たら、ちゃんと結果はついてくると思います。特にFiを持つINFP/ENFP/ISFP/ESFPは準備期間がモノを言うでしょう。しっかり自分の考えを持っていますが言語化することは苦手なので、周りの大人の力を借りながらじっくりと完璧な志望動機/自己PRを完成させていきましょう。INFJ/INTJはメイン機能がNiで芯の通った志望動機を作ることが出来ますが、少し思い込みが過ぎてしまう事がありますから、必ず本番前に周りに一度面接のカンペを見てもらいましょう。

 

 <総合選抜型>

 こちらは高校の推薦はいりませんが、その分面接、レポート、グループディスカッションなど多様な選抜が行われます。非一般入試はバカにされやすいですが、この選抜方式は結局個人の能力次第と言う意味で一般入試と一緒ですから、NT型は有利です。INTPだけ△にしていますが、腹を決めてプレゼン資料を作ったりグループディスカッションの対策をすれば素晴らしいパフォーマンスが出来ると思います。ENFJは言うまでもなく有利ですね。

 総合選抜型は一般ほどいわゆる学力を求めてくるわけではありませんが、とにかく課題が多く難関大学ほど長丁場になる傾向があります。そういう意味ではENFPは能力的には問題ないのですが、課題に取り組んでいると「落ちたら意味ないじゃん」と考えてしまうためやや向いていないです。ENTPも飽きっぽいですが、知的な課題を受けて立たないと気が済まないので、「落ちたら意味ないじゃん」ではなく「俺が落ちるはずがない」と思うことで最後までやり遂げるでしょう。

 ISTJはそんな中でも淡々と課題をこなせるので大学側の信頼を得やすいという意味で◎にしました。グループディスカッションやプレゼンはN型有利ですが、幸い出たとこ勝負ではないので周りの大人に相談しながら準備していきましょう。ESTJは外向性が強引さに映るかもしれませんから、周りを引っ張るばかりでなく他人の意見を取り入れるのを念頭に置きながら対策していきましょう。

 INFPもこういうタイプの受験に本来は向いているのですが、どうしても「他人に想いを伝えたい」という気持ちが弱いですから、他人の力を借りながら客観的な発表が出来るように頑張りましょう。これはISFPも一緒です。

 <最後に>

 再三言いますが、これはMBTIタイプの一般的な傾向と僕の浅い経験をすり合わせて言語化したものです。優秀な方はどのタイプでも優秀です!まずは自分のレベルと志望校に合わせて受験方式を考えてください。