お笑い芸人のMBTI分析③:ランジャタイ

 日頃MBTIを活用できるところはしながら仕事をしていて、その振り返りとしてブログを始めたのですが、お笑い芸人のMBTI判定のほうが楽しいかもしれません。別に厳密に判断する必要もなくて気楽ですしね。

 

 1.ランジャタイ国崎和也:ENFP

 ESFPと思われがちなのですが、私はENFPだと思います。彼のマイムの上手さからはSeを感じ、常軌を逸した漫才の設定やあり得ないボケを連発するところからはNeを感じるので難しいところです。ただ、彼によるとそのキレのある動きの源流はバイトでの経験にあるようです。最近では佐久間宣行のラジオなどこの話は何回も聞きました。

 「ガソリンスタンドのバイトで誰も来ない小屋に9年間閉じ込められていたので、延々と鏡に映る自分に向かってネタをしていた。そのうち身の回りのものに話しかけるようになり、近くにある三角コーンが向かい側にある電信柱の事を好きだという設定でその告白のお手伝いをしたりしていた。そういうことの積み重ねで所作がうまくなっていった」

 とのことです。あんまり何言ってるか分からないですね。ですが、決定的にNe的なエピソードであると思います。どっかで見ましたが、昔の国崎は意外と声が小さいです(公式youtubeだったかな)。今見えるSeっぽい要素はやはり後天的な努力?で鍛え上げてきたものだと言えます。

 漫才も「もし~が……だったら」みたいなNeっぽい拡散的想像力がベースになっていると思います。僕もNe使いだから少しわかりますが、「もしバスケ漫画の主人公がゴリラだったら」とか「もしビートたけしがロボットだったら」とか、それこそ「こんな暴風の時にもし猫が風で飛ばされてきたら」とか、Ne優勢の人間はこういうことを本当に毎日考えています(とくにINFPとENFP)。そこから思う存分想像を広げていったらあんな感じになるんだと思います。Se優勢の人間はこういった「もしも~」の話をそこまで熱心に広げないでしょう。また、彼のエピソードではあまり主体的に突飛な行動をしたという話があまり出てきません。

 文章力が高いことでも有名ですが、これも登場人物のセリフ一つ一つから丁寧に情景や心情を描写していて、とてもNe-Fiを感じます。

 Teについては「機能は非常に発達しているが、Fiとの調和を優先させている」という説明になるかもしれません。

 「優勝したい」「売れたい」と伊藤がだらだら喋っているのを苦笑いしながら聞いている姿をよく見ます。「でもお前何もしてねえじゃん」という笑いだと思いますが、その一方で「俺はネタ書いて頑張ってる」とか「お前も何か貢献しろ」とか言っているのを一言も聞いたことがありません。もし私が国崎の立場であんなことを何度も聞かされたら普通にイラつくと思うのですが、そこは本当にどうでもいいのでしょう。

 そして日頃から「死ぬほど努力して本番で大失敗するのが一番面白い」という持論を掲げていますから、何かしらコンビとして結果を出すことにもあまり興味がなさそうです。極貧時代からnoteの有料化をかたくなに拒否したり、今でもスパチャに一切興味を示しません。お金をもらうことで誰かの期待に応えてばっかりになってしまうことを嫌がっているのではないかなと思います。とてもFi的です。

 Fi的な部分で言えば、いつものように暴れてて、本当に変な雰囲気になりそうになったらすぐヘラヘラ笑って降りますよね。見てる方としては変なタイミングで降りてほしくないのですが、誰かが困っているのは好きだけど怒らせるまで行くのはそんなに得意じゃないのかもしれません。まあ怒ったら怒ったで面白ポイントをしっかり見つけてトークにしてそうですが。

 ただ要所要所でまとめてくるというか、芸人としての地力を見せつけてくるイメージがありますのでそこはTeと言えばTeかもしれません。特にM1グランプリで披露した「風猫」はランジャタイにしては珍しくよくまとまったネタで、伝わる人に充分伝わった結果、キャラが一気に浸透していきました。芸風を一切崩したくないのであればあれで売れるのが最適解でしょう。そのあとも自分の芸風を崩さずにバズれると踏んだ場面ではよく結果を残しています。一番鮮やかだったのはダイアン津田とのコラボですね。

 また、冠番組の「がんばれ地上波」では、どんなにふざけても企画を成立させる立ち回りを徹底しています。イジったり突っ込んだり状況説明する役になることも多く、状況に応じてふるまいを変えることも可能なようです。でも他人の番組で食レポロケ行かされたときは出来る限りお店に入らないし入っても食べない笑

 2021年のM1で悪ふざけしすぎて2022年ではウケていたにも関わらず準決勝にすら進ませてくれませんでしたが、本人はずっとへらへらしています。多分「散々期待されてから落ちる」という流れを本当に面白がっているんだと思います。本当にTe的な行動に興味がない現れです。かっこいいですね、やろうと思えば出来るけど美学に反すると考えたらしない、でもやるときはやるという。

 そんな国崎ですが、2020年まではTe的な行動自体もあまり得意じゃなかったかもしれません。僕は有田ジェネレーションで「さよならポンポンヨガ」を見て息が止まるほど笑ってから彼らのファンになったのですが、当時スタジオでも爆ハネしていました。それ以来地上波でもたまに見るようにはなったのですが、チャンスの時間を除いてほとんどスベっていたと思います。その次に呼ばれた有田ジェネレーションではTMラーメンで死ぬほどスベってアフタートークも全カットされていました。当時はキャラが浸透していなかったと言われたらそれまでなのですが、これは私の頼りない記憶ですが今と比べるとあまり本人ものびのびできていなかったように思います。

 2021年になってなにかしら変わったのかわかりませんが、実際にウケる場面も見るようになり、準決勝に上がったころにはそこそこ世間でも知られている感じになっていたと思います。

 劣勢Siは特に異論ないでしょう。本人も「(健常者)ギリギリだった」というほど勉強が出来なかったとのことです。また宿題を全くやってこなかった、督促を無視しすぎて口座の差し押さえを食らった(これはただ貧乏なだけ?)など、いくらでも出てきます。「芸風に反して多才」という誉め言葉はよく聞きますが、「芸風に反してしっかりしている」という話は全く聞きません。

 ENFPはステレオタイプには、コミュ力が高く人気者でアドリブも利くがとにかくだらしないというものがありますが、国崎はそれに加えてTe的な能力が高いというのが本人の性格像であると言えるかもしれません。Te的な「志向」ではなくTe的な「能力」ということが大事です。

 

追記:「がんばれ地上波」で素晴らしいシーンがありましたので思わず追記します。

ヤマゲンの完璧な切り込み隊長っぷりからそのハードルを越えつつお笑いとしても成立させなければならない難しい場面ですが……完璧でした!

芸人としてあらゆる類の腕が試される、まさに「やらねばならない」場面ではいつものボケを捨てて笑いを求めようとする国崎のTeが存分に表れている場面だと言えます。必見です。基本的にすっぴんのお笑い能力が試されるときはそう振舞う傾向にありますよね

youtu.be

 2.ランジャタイ伊藤幸司:INFP

 特に異論はないと思います。自分らのラジオでは色々一人で考え事をしてそれを一生懸命国崎に話しているのをよく見ますが、それが地に足のついた内容だったのを見たことがありません。テレビでは基本的に喋らないので、それ以上に分析のしようがないです。

 他の人から無茶ぶりをされたとき、そこから一切何か無茶したり工夫したりするわけでもなく平然と大スベリします。それで平気な顔をしていますが、Fiの良くないところかもしれません。

 

 以上です。ほとんど国崎の話になりましたが、これは好き嫌いと言うか伊藤があまりにもそのままで、国崎の振る舞いがあまりにも異常者であるから、分析していて楽しかったという面が大きいです。今回はあまり悪口を書くことがなくてよかったです。