Fラン入ったら人生終了ですか?SJタイプ編

 前回の続きです

 

fakesam.hatenablog.com

 

 SJタイプと言えば、目の前のタスクを規律正しくこなすイメージがあります。

 基本的には常識人で、聞き分けが良く、学校では教師に好かれて比較的成績もいい印象があります。

 ですが、(お前の主観だろと言われたらそれまでですが)個人的な感覚では結構な数がFラン大学に進学しているような気がしていてタイプのイメージとやや反しています。今日はそんなSJ型がFラン大生として成功する道を考えてみます。

まずなぜ彼らがFラン大学に進学してしまうのか考えてみましょう。以下の理由が考えられます。

 まじめなSJ型がなぜFラン大へ入学するのか

 ☆「与えられた選択肢」以外に目が向かない

 大都市圏以外で生まれ育った人間にとっては、いまだに大学とは東大京大国立医学部・地元旧帝・地元国公立・地元私立を含めた有象無象の4パターンという認識であることが多いです。他県の国公立やマーチ・関関同立は認識すらしていません(下手したら一橋東工や早慶も)。

 地方の生徒は高校に進学したら高校のレベルに応じてきわめてこの大雑把なグルーピングに当てはめられます。地域社会を含めて教育を行う側がこの程度の選択肢を用意できないわけですから、生徒は主体的に自分の進路について探究しない限りは基本的にこの枠内でしか進路設計をすることが出来ません。SJ型の苦手とするところです。

 この4パターン間において学力の差はきわめて大きい事は言うまでもないと思います。ですが、あまり進路に関する情報収集を積極的に行わない生徒は、自分の進路は外部から与えられたこの4パターンしかないと真剣に考えています。ですから、地元国公立に落ちたらあまり疑いなく簡単にFラン大学へ入学してしまいます。

 もちろん経済的な事情によりやむを得ず上記のような選択を行う生徒も多いでしょうが、しっかり調べて説得すれば簡単に浪人や県外大学への進学を許可する親は想像以上に多いです。親は大抵の場合、子供が真剣に何かに打ち込むことを期待しています。しかしながら、充分に知識のないSJ型はそういう運命にあらがうことなく素直にFラン大学へ進学する傾向が強いように感じます。

 ☆高校教師の言うことを信じる

 一般的に進学校でない場合、教師は学校側の都合から謎Fランを生徒に勧めたがります。進学率を上げさえすれば「うちはその気になれば進学もできますよ」と世間にアピールできるので、その中身がガチFだろうが何だろうがそれだけでもイメージの向上に繋がります。

 また、謎私立大の指定校推薦枠を多く抱えていることも多く、学校側はなるべくその枠を消化させたがります。毎年私の塾に通っている生徒の一部は「どうせ無理だから推薦使ってFラン行っとけ、いやFランじゃないよいい大学だよ」と教師から説得されています。どうやらどうせ無理だからと本当に言われているようです。中には充分にマーチ以上の合格チャンスを秘めている生徒も存在します。

 高校の進路指導も基本的には前述の4パターンしか存在しない世界に住んでいますから、自信満々に指定校を使った県外私立Fランへの進学を勧めてきます。百歩譲って経済的な事情から地元Fランに進学するならともかく、就活などを考慮すると県外の謎地方Fランへ進むくらいなら3か月死ぬ気で勉強して大東亜帝国に行った方が百倍マシですが、高校教師はそういうことを教えません。それどころか「そんなとこ行くくらいなら知名度ゼロの地方Fランに行け」と言い出します。全くもって理解に苦しみますが、現にそういう現場は存在します。

 SJ型は悪く言えば権威主義者なので、年長者のそういう態度を信頼して変なFランへ進んでしまいがちなのだと思います。

 怠けてFランに進んだわけではない!

 彼らは上記のように、周りから与えられてきた価値観に沿って「努力が及ばなかった結果」Fランへ進学することが多いように思います。

 ここで大切なことは、彼らは受験それ自体には失敗したとしても学力を身につけるべくその場の努力は怠ってこなかったという事です。

 導入編でもお話しした通り、就活等大学以降の進路選択で求められるのは基本的には外形上年齢と「大卒資格」のみであることが大半です。すなわち、大卒資格さえ持っていれば大抵の進路であれば東大卒の学生と同様のチャレンジすることが可能です。学歴フィルターがどうだと世間では言われますが、求められているのは本人の実力そのものです。

 SJ型のFラン大生は、上記のような理由でFラン大学へ進学することが多いので、大学入学後もあらゆる場面で努力を怠らないでしょう。自身がFラン大生であろうが何だろうが、こなすべき努力は怠らないのです。あるいはコンプレックスを持つSJ型Fラン大生もいるでしょうが、なおの事ミスを取り返すために努力します。

 Fラン大学に進学した人数のほとんどは大学院へ進学しないでしょうから、卒業見込者の大部分は就職活動に巻き込まれることになると思います。Fラン大生は基本無気力なので周りに流されることも多いですが、SJ型の学生は地道に情報収集を続けます。これまでのネットワークが頼りにならないと気付けば自主的にいろいろな会合に顔を出すことになるでしょう。なぜならば「自分は内定を得なければならないし、そのために必要な知識を得る必要がある」と考えたら、その価値観に従って行動するからです。そういう意味では、やはりSJ型の学生は一般的なFラン大生のイメージとはかけ離れているように感じられます。

 私が新卒で就職した会社は優良企業として有名でした(実際にはクソ企業でした)が、Fラン大学OBもそれなりに存在していました。ただほとんどSJ型で、やるべき事をこなす能力にかけては右に出る者のいない人間ばかりでした。

 今後ほかのMBTIタイプについても考えてみたいとは思っていますが、ぶっちゃけるとFラン大卒で就活に成功しているのはほとんどSJ型です。Fラン大学の実績を創り上げているのはほとんどSJ型の学生なのです。もしかしたら、彼らは「人生逆転した」と思ってすらなくて、「やるべきことをやっていたら就活に成功した」という程度に考えているのかもしれません。

 地方の優良企業にはFラン大からの就職実績がある事が多いですが、その大多数もまたSJ型です。ほとんどの地方優良企業はすでにその地域においてコネクションを開発しつくしており、その維持管理を担える人材に高い需要を抱えています。Fラン卒だろうがある程度学力とコミュ力のあるSJ型には高い需要があるのです。

 ですからSJ型でないFラン大生の方は、「うちは地元優良企業に毎年就職してるし。俺も就活の時に本気出せば日東駒専のザコより将来安泰だし」と思って安心しないようにしましょう。

SJ型Fラン大生が逆転するには?

 Fラン大学に入学してしまうSJ型学生は、大体の場合優先順位のつけ方が壊滅的に下手くそです。現在は地方国立でも共通テストなしの学校推薦が拡大基調にあり、まじめにやってきた生徒であればそれだけで非Fラン大への進学チャンスが増しています。共通テスト自体がN型有利な試験なのでそういう意味ではSJ型に冷たい世の中にはなっていますが、救済措置は十分すぎるほどに用意されているのです。高校の進路指導担任はそういった面まで生徒一人一人まで見てられません。こういった提案もされず、また自分でいろいろ調べるという行動が出来ず、気付いたらFラン大学へ進学してしまったSJ型生徒も相当数いると考えられます。

 とは言え進学してしまったのはしょうがないです。あなたの「やるべき事はしっかりとこなす」という美点はそのまま保ちながら、将来の進路に向けて意識的に様々な意見を意識的に吸収していきましょう。正しく努力するためには正しく情報を集め、分析しなければなりません。受動的に集めた情報を分析しているだけでは大学進学の二の舞でしょう。自分の状況を理解するためにもまず客観的な情報を集めましょう。

 おそらく普通に過ごしているだけで築けるネットワークから得られる情報では確実に不足します。主体的に新しい情報へアクセスするように心がけてください。それはバリバリ高学歴層として就活をこなしている中学高校の友人、学内でも意識の高い会合、社会人として実績を積んでいる親戚やOB何でもいいです。とにかく学内に何となく漂う無気力な雰囲気と社会的な「就活は厳しい」というピリピリとした雰囲気のギャップに気付いて、それを埋めるために情報を集めるよう心掛けることが大切です。

 もちろん怪しい商売やセミナーには断固として拒否する姿勢を崩さないようにしてください。そうでなくとも純粋に意識の高いもの同士を共助するための組織は存在しますから、「よくわからないけど偉い人から与えられた試練を乗り越えれば自分もいつかは成功する」「よくわからないけどこれさえこなせば自分は成長できる」「よくわからないけど帰属意識を感じて心地いい」という甘い話や状況には絶対に乗らないようにしてください。SJ型はNe劣勢のため「もしかしたら~かもしれない」と勘づくことが苦手ですが、就活のためには盲目的な努力をしなければならないという観念を捨てましょう。「とりあえず何かしら頑張る」ではダメです。本当に行為それ自体に価値を感じて自分が打ち込めるものを考えましょう。そこに就活成功のカギは存在します。すこしでも就活それ自体を見据えた行動には何の意味もありません。(特にあなた方の場合)それは害悪にすらなり得ます。だって真面目な高校生活を送ったにもかかわらずそうやってFランに来てるんですから。

 レベルの低い情報ばかりつかまされると、いつのまにか就活スキルを鍛えるためにスマホを友人に売りつけるようなことになりかねません。本当に心から世間に売り込みたいスマホがあるのなら、起業してしまってください。そうでもないのならもっと普遍的に価値を感じられる活動をしましょう。

 その上で、やらねばならないこと、すなわち教授から言われたことだったり提出を求められたものと自分がやりたい行動のバランスを取るように心がけましょう。そのどちらもおざなりになってはいけません。特にISFJ/ESFJの場合は前者を優先させてしまって結局自分のことは後回しになってしまう傾向が強いように思います。それでも地元の謎企業への内定は得られるでしょうが、そこでも謎の義務感から損する人生を歩み続けるでしょうから大学生のうちに上手に経験をアウトプットする意識を持ち続けましょう。

 そうしていけば、きっと満足のいく進路を見つけることが出来るのではないかと思います。正しい方向に努力を続けていけば、必ず未来は開けるのですが、あなた方の場合はその「正しい方向に」が下手くそです。意識的に「なぜ自分はそこそこ頑張ってきたのにFランに来たのだろうか」そして「将来自分はいったい何がしたいのだろうか」という考えを突き詰めていく必要があります。