よく考えたらMBTIの勉強は全部自己流でやってました

 ありがたいブックマークコメントをいただきました。元々自分の思考の整理のために始めたブログですが、こういったコメントを頂けると素直に嬉しい気持ちになります。Fe持ちとして自己満で始めたものでもなんだかんだ他人に評価してもらいたくなるのです。

 さて、「筆者様はどの情報源をもとにmbtiを勉強したのか」というご質問をいただいたので色々思い返してみたのですが、基本的にはこのwikiだけであることに気付きました。

16タイプの性格分類まとめ Wiki* (wikiwiki.jp)

 このwikiは元をたどればそれなりにソースとして信用できるものらしいですが、詳しくは知りません。もちろん、ユングユング研究の本も読んだことがありません。MBTI協会のカウンセリングも受けてみたいとずっと思っていますが、高いのでまだ受けていません。

 このブログは昨年5月からスタートしていますが、この8か月間なんとほぼ完全に自己流でMBTIの研究をしていたということが只今判明しました。何と言う事でしょう。

 それなら、私はどうやってこのブログを書いているのでしょうか?

1.自分の経験を振り返って心理機能から分析できないか検討する

 僕の性格や思考の様式はかなりNTP的です。EとIはほぼ拮抗していますが、NとTとPに関しては元来かなり強いものがあります。NもTもPも社会生活にあまり向いたタイプではありませんから、自分の性質を客観的に分析できるようになるまでは基本的に集団の中で浮いている存在だったと思います。まあ今も浮いてはいるのですが、ある程度キャラクターとして人間性をもって着地しているのではないかと思います。

 ですから、これまで上手く人とコミュニケーションを取れなかったという経験が無数にあります。中学から社会人数年目までは、基本的に僕の真意が周りに伝わることはなかったし、私は私でそのための努力も特にしていなかったように思います。

 他人とのコミュニケーションについてはMBTIを知る数年前からようやくコツを掴みだしてきました。そのころは「なんだこんなもんでいいのか」という程度にしか思っていなかったのですが、MBTIを知ってから改めて内省すると、具体例は挙げませんが面白いように話が繋がるのです。

 そこから、心理機能別の考え方の違いとして上記のブログとすり合わせながら自分が扱えるように一般化していくことで、心理機能の一般的な知識を自分が扱えるように落とし込んでいったように思います。これが私のMBTI研究の第一歩です。

 自分の経験がベースになっていることが多いので、エントリーを見てもらってもわかる通りS型に対しては正直まだ深く理解していません。

 

2.自分の知見を塾生の思考に当てはめてみる

 私は幸い?MBTIに関する上記の自己の知見を実践してみる場に恵まれました。また、私の「お客様」は大抵の場合心理機能の発達が未完全です。逆に言えば、心理機能の強みも弱みもむき出しのままとなっているケースがとても多いです。

 受験産業において最も大事なことは「分かりやすく教える」ことではなく、「生徒のモチベーションを高める」ことです。この中にあふれている受験の攻略法と呼ばれるものは、どこまでも全ての人間に対して一般化されたものであり、結局のところ「とりあえず頑張ってれば報われる」という思想のもとに生み出されています。最近はやや専門的なyoutubeチャンネルやブログも増えてきましたが、大抵の場合どれも「いい高校に入る」「早めに範囲学習を終わらせる」「早めに共通テストの対策をする」「基礎を着実にこなす」「めっちゃ時間かけて勉強してしかも集中する」のどれかに収まります。

 こんなこと皆分かり切っているのです。分かり切っているし、今の生徒はみんな優秀ですからそんなこと勝手に実践しているのです。それでも思い通りに行かない場合、こちらから彼らの思考の深くまで探って原因を見つけなければなりません。

 一方で、そういう当たり前なことをこなせない生徒も多く存在します。彼らに対しても、根性論以外で「なぜ当たり前なことが出来ないのか」を考えなければ1年後の着地点を予測できません。

 彼らはほとんどの場合自分で把握していな ない壁にぶつかります。彼らのプライドを傷つけずにその壁を取り払うのはとても繊細な作業です。塾運営スタッフはまさにMBTI実践の場なのです。

 実践の結果を踏まえて考察することも大切です。一度「生徒に16Personalitiesをやってもらってその結果を指導に活かそう」と思ったことがありましたが、あまりうまく行きませんでした。私の予想とは異なる結果が出てくることもままありましたし、そもそも人間を16タイプに分けてフローチャートのように対応をマニュアル化することには無理があるからです。身も蓋もないですが、要は自分オリジナルの解釈を持たなければ実践に耐えられないのです。INFPなのに打たれ強い生徒もいますし、ISTJなのにアドリブが利く生徒もいます。日々こういった「顔の見える人」を相手に仕事をしていくのです。

 MBTIをもとに方針を決めることは少なくないですが、それはあくまで傾向に基づいたものであってその人に向けたオーダーメイドの特効薬では決してありません。そこから、各人に合ったプランを考えていく必要があります。こういった一連の作業で得たさらに新たな知見を日頃のコミュニケーションに活かしたり、自己の内省にあてはめてみることで、もう一段階分析を深化させることが出来ます。

 

……ここまで私のMBTIに関する考察の原風景から現在の取り組みまでをご覧に入れました。とても実践的だと思います。ですが、自ら他人の目に触れるようなことをしておいてなんですが、実践的すぎるためこのブログに書いてある考察には問題点もあります。

 

 注意点:明らかに偏見が混じっている

 私が運営する塾はお世辞にも高偏差値帯の生徒であふれているとは言えません。もちろん旧帝・早慶レベルの生徒も存在しますが、正直なところそれは少数です。

 理念を携えてそこを目指して頑張っている生徒もいますが、そうでない、何となく受験勉強に取り組んでいる生徒も多いです。あるいは体裁上難関大学を目指しているものの、日々のタスクさえまともにこなせず全く努力が追い付いていないというケースも多いです。

 私の塾にはこれまであまり努力を経験したことがない生徒の方が多数派なのです。そういう生徒は基本的に負荷を受けた経験が少なくて心理機能も比較的未発達であることが多いですから、彼らから得る知見では社会で幅広く使うためのタイプ論としては一般化が不十分であることも多いです。もっと言えば、よりステレオタイプ的になっていると言えるでしょう。現実の社会においては本人は自分の強みや弱みを相当レベルに自覚していることが多いので、私の分析では不十分なことも多いかもしれません。

 

 注意点:基本的にNTP型視点の考察である

 前述の通り私は相当なNTPタイプなので、常にあらゆることに対して懐疑的な目をもっています。そういうレンズを通して得られる知見をこうして共有しているので、くりかえしますが特にS型の方の事はまだまだ掴みかねているというのが正直なところです。

 特に受験勉強がに不向きなSFPタイプに対してはかなり偏見が混じっているかもしれません。前述の注意点と重なりますが、私は受験産業という客観的な成果を求められる仕事に従事していながら、相手にする「お客様」は結果を追い求めることが苦手なことが多いという極めて矛盾した状況にいます。その上私自身NP型で現実と乖離した想像を好む人間なのです。

 しかしながら、私のこれまでの対人経験はそれなりに深いものであり、2年で100人以上の人間の人生を左右してきたという自負があります。前述のような私の立場の特殊性を割り引いて考えても、これらは全く使い物にならない知見という訳ではないはずです。

 

 終わりに:あくまで個人の感想ですが解像度にはこだわってます!

 どこまでいっても個人研究なので必ずしもすべてが理論的かという事には100%の自信は持てませんが、それなりにこの2年間は他者理解のためにすべてを捧げてきたものだと考えています。日々試行錯誤を繰り返しながら、クリティカルなアドバイスが出来ないかと考えてきました。

 その中で、MBTI的な分析も大いに活用してきました。おそらく人生を左右してきた数においては私は社会人の中でも比較的上位に位置するはずです。タイプ別の性向を一般化することは業務においても非常に大切ですから、解像度最優先で分析するように日ごろから心がけています。

 私のアドバイスが大いに相手に響いたこともありますが、全くの空振りに終わったこともあります。自己流ですから自分に近い性質を持つタイプとそうでないタイプでは心の繋がり方に差があるのです。傾向としては、NTP、NTJ、NFJ、SFJ、STPタイプは私の話をそれなりに熱心に聞きますが、STJ、NFP、SFPタイプはうまくかみ合っていないことが多いように感じます。これは僕の被害妄想かもしれないし、そうじゃないかもしれません。

 ともかくまだまだ知らないことは多いですが、最近は新たな知見が少なくなってきたような気がするので、そろそろMBTI協会のカウンセリングを受ける時が来ているのかもしれません。