MBTIを実践で活用するには16personalitiesを当てにせずにNとSを見分ける方法を見つけることが一番大事

 16personalities相変わらず若年層に流行っているのですが、元々16personalitiesの診断は公式が怒るほど簡素ですので普通にミスタイプが起こります。

 どう見てもSだろうと思う人がNになったり、逆にどう見てもNだろうと思う人がSだったりするようです。前も書きましたが、個人的にはNとSの区分がMBTIを活用する上で何より大事だと思っているのでこれは困ります。

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 私は塾講師業務の補助になるようにMBTIを活用していますが、NとSの区分については間違えるとまずいのであまり他の診断は頼らずに自己流で見分けています。今回はその方法を紹介するのでもしよければ参考にしてください

 

16personalitiesにおけるN(直観)とS(感覚)の定義とその不十分な点

 なぜこういったタイプミスが起こるのでしょうか?16personalitiesの設問のうち、NとSに関係しそうなものは主に以下の通りです

・様々な面白そうな事柄について探究するために、多くの空き時間を費やす
・クリエイティブな作品の色々な解釈や分析の仕方についての議論には興味がない。
・結末を自由に解釈できる本や映画が好き。
・死後について、以前からずっと興味がある。
・人生の意味や人間が存在する理由について考えることはほとんどない。
・抽象的な哲学的問題についてじっくり考えるのは時間の無駄だと思う。
 ここらへんの設問がNとSに関係していそうです。他にももう少しありましたが、あまりコピーしすぎると怒られそうなので一部抜粋して記載しています。

 さて、こう並べて見るとある程度思想が見えてきます。ここから16personalitiesがNとSを以下のように考えているとまとめられるかもしれません。

 N:答えの存在しない事象に対して考えるのが好きな人

 S :明確な答えが存在しない事象に時間を費やしたくない人

 こんな感じですかね?

 まあNとSの傾向として全くもって誤っているわけではないとは思いますし、tiktokなどで流行ってる簡易的なMBTI分析のステレオタイプにしっかり当てはまっているものだと思います。

 ただ、NとSってもっと無意識的な部分から分化しているようなものじゃないかと思うんです。16personalitiesでいうNとSの区分では、あくまで意識的な部分にのみフォーカスが当てられています。

 これだと、心理的な分析ではなくただの好き嫌い診断になってしまうと思います。当たり前の話ですが、抽象的な話を時間の無駄だと考えるN型もいるだろうし、スピリチュアルにハマるS型もいるでしょう。

 本当にMBTIを実務に活用する上で考えたいのは、こういう本人の意識的な傾向ではなく本人の意識外の思考活動です。他人の信頼を勝ち取るには無意識的な部分に働きかけるコミュニケーションが最も大事だと思うのです。

偉そうに言ってるけどお前はどうしてんだよ

 認識と言語の関係性にヒントがあるのではないかと思っています。

 とにかく、N型は言語化に対しては見切り発車という印象があります。本音のところでは自分のイメージが相手に伝わるかはあまり考慮していません。また、僕もそうですがそういうコミュニケーションを心地よいと感じる傾向があるように思います。INFPやINFJ、INTJは言語化に慎重ですが、これは言語化が苦手という訳ではなくて、あまりイメージ先行で相手を置き去りにしないように気を付けているだけです。一方ENTP、INTP、ENFPはそれをそのまま饒舌に話して相手を置き去りにする傾向があります。

 N型の中でもこのように表出のされ方こそ異なりますが、要するにN型は言語に先行する形で頭の中でどんどんイメージが形成されていくのです。N型と仲良くなるためにはその「言語化されていない部分」について一緒に考えてあげることが大切なのです。

 一方で、S型についてはすでに「明瞭に」言語化されたものを重視する傾向があります。S型の説明としてよく「過去もしくは現在にまさに存在する概念や現象を重視する」とよく言われますが、これを僕は「完全文で説明できることから優先的に認識している」と解釈しています。つまり「XXがYYをZZにVVした」、あるいは「XXがCCである」という形で、きれいなセンテンスで表すことが出来る情報を好むと考えています。すなわち、S型は言語化しやすい情報から優先的にキャッチしていくという事です。

 ですから、言語化に苦労する情報をS型の人たちはあまり重要視しません。そういう情報を周りのN型がこねくり回したとしても、S型の人たちは困ってしまうでしょう。

 このように、N型とS型は無意識的に別の判断基準により情報を選別していますから、意識的なフィールドにのみ焦点を当てた16personalitiesだけでは明らかに限界があるのです。ここでは、僕が日頃活用している分析を自分の言語化のついでに紹介していきます。

 1.雑な言語化でもどんどん伝えてくる場合はN型、そうじゃなければS型

 特に10代のN型の場合、コミュニケーションは「行方はボールに聞いてくれ」という感じです。これもN型的な伝え方で申し訳ないのですが、N型は自分の言語化が雑でもどんどん相手にぶつける傾向があります。こちらを信用してくれている場合はその傾向がさらに強まるでしょう。聞いていて眩暈がすることもありますが、彼らの中ではそれなりに確信を持っているし、翌々ひも解いてみるとそれなりに戦略的だったりします。

 もちろんS型(特にSP型)も不十分な言語化で相談を持ち掛けてくることもありますが、彼らの場合は大抵の場合本当に戦略が立っていません。こちらから問いかけても「よくわからない」で本当に終わらせてしまう場合はS型と思っていいでしょう。

 もちろん「だからN型が賢くてS型は賢くない」という訳ではありません!N型は相談する前からある程度自分の中で決めてきている以上間違った戦略でも頑固になるし、S型は実際に相手のアドバイスを聞く余地を残しているからです。

 2.理解しがたい趣向を持っているのがN型、どこまで行っても普遍的な趣向なのがS型

 これは多少議論が分かれるところかもしれません……ここは僕が10代を主に扱っているということに免じて笑って流してください。ただ、少なくとも僕の実践においてはこの論点はSとNを見分けるうえでかなり強力だと思います。

 N型は10代でも大人でも多少なりとも少しズレています。例えば僕は地方の塾で勤務していますが、N型の生徒はよく受験で上京するついでにトー横を見に行きたいと言っています笑。ちなみに僕は受験のついでに信濃町の見学に行きました。そうでなくても、N型の生徒はしっかりしているように見えたとしてもどこか型破りな情熱を抱えています。コミュニケーションの過程でそういう傾向が見えたらN型と思っていいでしょう。

 もちろんS型の生徒でも意外な趣味や趣向を持っていることも少なくありません。ですが、それはあくまでも「我々がその生徒から見える範囲で意外」なのであって、一般的な高校生や10代からすればまっとうな範囲に収まることがほとんどです。N型の「意外」は、NT型は悪趣味だったり、NF型は本当に他人からは理解できない点に関心を抱いていることがほとんどです。彼らの場合、特に特別な個人的な経験があるわけでもなく、それを本当に何となく好きなケースがほとんどです。想像力が暴走しがちなN型にありがちだと言えるでしょう。

 3.周りの人間の分析が好き

 特にSFJなんかも他人を気にするとは思いますが、N型の場合は特に相手の心理分析まで手を伸ばします。「あの人がこういう行動をとっていたから多分こう考えていた」と一歩先のところまでコミットしていればN型と考えていいです。必ずしもそれが正しいわけではないでしょうが、間違いなくN型は分析したがりです。塾に来るENFPなんかは基本社交的なので交友関係を広げるのは良いですが、これで周りにある事ない事を言って波紋を呼んで勝手に気まずくなったりしています。

 まとめ

 結果大きく分けてこの3点となりました。偉そうに言いましたが相当ざっくりになりましたね笑。ともかく2点以上当てはまっていればN型の可能性が非常に高いと言っていいでしょう。

 繰り返しますが、N型とS型では情報に着ける優先順位が異なります。それはすなわち、大事にしている価値観の違いを意味します。であれば、言葉の掛け方次第で一見気難しい相手でも信頼を築けるかもしれないし、逆に接しやすそうな相手でも価値観にそぐわない言葉をかけてしまえば信頼を失ってしまう事に繋がるのです。

 人間の感情を熟知したスーパーマンならともかく、僕のようなMBTIを活用しようと心に決めざるを得ない感情弱者では、こういったボタンの掛け違えが致命傷になりかねません。現状、タイプが同じであるN型ならともかくS型についてはかなり慎重に取り扱って何とか均衡を保っている状況です。

 これはあくまで主に10代を相手にしている僕の手法ではありますが、MBTI界隈ではよくN型とS型の断絶は非常に大きいと言われます。僕の場合は生徒に対してはもちろんですが、アルバイト講師に対しても慎重にN型とS型を見極めて取り扱っています。N型とS型では重視している情報が違う以上、こちらからの問いかけや働きかけを相手に応じて変えなければ重要な洞察を共有してくれないのです。僕はこれに気付いてから講師とのコミュニケーションがとても楽になりました。いうまでもありませんが、どちらの情報も等しく重要です。こちら側が情報を上手に引き出し、上手に解釈することが腕の見せ所なのです。

 MBTI公式には怒られるかもしれませんが、MBTIを単なる心理テストではなく実践で使ってもらうためには、利用者が「うまくいったぞ!」と感じる経験を増やしていかなければならないでしょう。少なくとも僕はここを徹底することによって手ごたえを感じています。こんなブログ誰も見ていないでしょうが、少しでも多くの人にMBTIを活用した結果実践でうまく行ったと感じてもらえたら幸いだと思います。NとSを見極めてさえしまえば何とかなるぞ!と声を大にして言いたいです。