INFPとINFJが心得ておくべき受験生の心持ち

 この2つは本来希少な存在でありますが、塾業界だとそこそこお客さんとして姿を現します。心理機能の流れは違うものの一見区別があまりつきません。

 彼らの思考回路は全くの別物と言ってもいいですが、あまりよく知らない人間からすれば似た者同士に見えるかもしれません。共通点としては、どちらも妙なカリスマ性で有名です。ミステリアスで、一見何を考えているのかわかりづらいですが奥に熱い信念を秘めていることはわかります。とても魅力的な性格タイプですが、受験勉強というシビアな競争においてはそれが仇となりかねません。

 運営からもしっかりと気を配っていく必要がありますが、もしこのブログを見ている受験生の物好きがいればぜひ以下の事項を自覚して行動してみることを意識してみてください。

 

☆INFP受験生の注意点

1.成果を自分で判断しない

 塾に通っている場合、講師に要求されたことを毎回確実に成し遂げていくことが何よりも大事です。努力できたかどうかを自分の判断で決めないようにしましょう。

 MBTIに詳しくなくても見るからにメンタルの弱そうなINFPに対してズゲズゲ言える人はそう多くありません。すぐへこんでしまう事が目に見えているからです。

 実際INFPのメンタルが弱いかと言えば状況による(むしろ図太い面もある)のですが、あまり周りの人もむやみやたらに他人を傷つけたいわけではありませんから、そういうリスクを冒したくないのです。

 ただ厄介なことに、INFPはあまり正しく自己認識することが上手ではありません。なので、自分が充分要求を満たせる水準なのか、それだけ努力できたのかをシビアに判断し、必要があれば事あるたびに他人に判断を仰ぐ姿勢が必要です。主観的にはやむを得ない事情に見えても、客観的に見れば自分本位な価値観で努力を制限していたりするので、そういう時はびしっと言ってもらいましょう。それが嫌であれば自分でしっかり管理するか志望校を下げてください。

 

2.努力を怠っている部分は潔く認める

 何もあなたの努力を否定するつもりはありませんが、まだ努力できる部分はありませんか?本当にもうこれ以上やりようがないですか?1に通じますが、客観的に一日を振り返って自分に厳しくジャッジしてみてください。

 僕もENTPなので分かりますが、P型は自分の内面に判断基準を設ける傾向があるため、自分に都合の悪いジャッジをすることが苦手です。実はその鈍感力それ自体が受験に不利と言う訳ではないのですが、これがINFPの不利に働くのは、客観的に自分の状況を評価することが苦手という点にあります。

 多少抽象的になりましたが、要するに多少不十分な点があったとしても「自分は自分なりに頑張った!」となってしまいがちなのです。T型であれば、「自分は頑張れてないけどこれ以上努力できないから他でカバーしよう」となります。すなわち、自分の努力不足を認めたうえで努力量を増やす以外の点から改善を図ろうとします。自分の力量や出来ること・出来ないことを正確に見定めて、その範囲内でカバーしようとするのです。自らの振る舞いを一歩引いた立場から評価し、ある意味他人事として対策を立てられるのはTiの強いTP型の強みです。ただ、FPのメイン判断機能はFiであるため、そういう視点を持つのは難しいしれません。

 受験勉強において、何も計画通りに学習することだけが全てではありませんが、正しく自己認識できないのは非常に痛いです。上記の通り、学習効率の改善と言う点で障害が発生するからです。これではINFPが持つせっかくの優れた発想力・想像力が活かされませんから、自己の状況を適切に判断するようにしましょう。

 他人にとやかく言われるのは嫌だと思うので、そうならないように自ら改善していく意欲を持つようにしましょう。

 

3. Neを上手に使う学習を心がけましょう

 INFPの劣勢ジャッジ機能はTeです。すなわち、結果を意識した価値判断を意識こそするものの、いざ結果を求める判断を迫られるとなると非常に苦手な傾向にあります。受験勉強で言えば、興味の持てない試験科目については根本的な理解を無視して暗記ごり押しでやり過ごそうとする傾向があるように思います。暗記科目と言われる社会ですら暗記ごり押しでは大学受験レベルになると歯が立ちません。「要は暗記してしまえば点が取れるんでしょ」というマインドでいくのであれば、圧倒的な完成度を目指す必要がありますが、INFPはそもそもそういったストイックさを持ち合わせていません。持ち前の想像力を駆使して、地道にしっかり理解しながら範囲学習を進めていくことがINFPの成功のためには必要であるように感じています。受験勉強に励む際は、「恐れず騒がず、しかし確実に」というスローガンのもとに行うとよいでしょう。焦ったとしてもあなた方の場合上手く事は運びません。元々焦ることが苦手な人種なのです。

 面白いと思える部分は受験勉強を気にせずネットや図書館で突き詰めてみるとよいでしょう(もちろんやりすぎはダメですが)。科目自体のイメージが広がれば、自然と結果は出ます。

 

 ここまで悪口ばかり言っているような気がしますが、平均IQで言えば我らがENTPを上回る頭脳を持つことも多いらしいINFPは、地頭の面で言えば申し分のないスタートラインに立っているとも考えられます。ただ、受験勉強においても持ち前の「生きづらさ」を存分に発揮しているだけなのです。もしあなたが充分に才能に恵まれたINFPであるならば(大丈夫です、ADHDは個性です)、考え方を多少変えるだけで勝機は充分に見出せます。Fiメインである以上それが難しいのかもしれませんが、少なくともそれは先天的で達成不能なものではありません。ぜひ志望校への想いや熱意を洗い出し、「何のために自分は勉強するのか」と言う点から問いただしてみてください。そうしてみると、「じゃあ勉強するしかないな」と吹っ切れてしまえるかもしれません。

 

☆INFJ受験生の場合

 1.他人に頼ることを常に考慮に入れましょう

 INFJ受験生は、INFPと違って求められるタスクを忠実に、かつ客観的な視点から達成しようとする傾向にあります。結果どれも中途半端になってしまうリスクが高いのはINFP受験生と同じですが、彼らの場合、それは何としても課題をクリアしなければならないという想いが空回りしてしまうことが原因です。元々彼らは目標達成能力が高いので、課題を設定する側も無意識のうちにハードルを上げてしまう事もあるでしょう。彼らの場合は無理だと悟った瞬間に「無理そうです」と相手に伝える意識が大切かもしれません。

 簡単に言いましたが、INFJはそれがとても苦手です。INFJもINFPも辛いときに心配されると「大丈夫」と言う傾向にありますが、INFPは10辛いときはちゃんと10辛い顔をするのでわかりやすいです。しかし、INFJはFe持ちなので、相手に自分の状況を悟られないように表情をしっかり隠します。なので、指導側の洞察力が不十分だと「そっかー」で流されてしまうかもしれません。苦しい時に苦しいと自分から言えないと、気付いてくれない可能性があるのです。それを自ら意識していくことによって、いずれ他者との距離の取り方もつかめてくるでしょう。

 

 2.自分の立ち位置を俯瞰して見る意識を持ちましょう

 INFJはNiの影響により、一度道筋を定めるとそれ以外何も見えなくなる傾向があります。ですが、目標へのアプローチなど探せばいくらでも方法はあります。更に、その実現のためにはやらなければならないことが山ほどあるのが自然です。目標を定めるのは良いですが、その道筋については柔軟な姿勢を取り続けるように心がけましょう。

 自分が不甲斐ないと感じた時は、自分を責めるのではなく信頼できる人に今の状況に関する見解を聞いてみてください。「自分に甘いことを言っている」と感じることも多いとは思いますが、少しでも反論に苦労するようであれば素直にそのアドバイスを聞いてみましょう。

 INFPはどうしても自分に甘くなってしまいがちですが、INFJは逆にストイックになりがちです。こういうと自分に甘いのがダメでストイックだと優れているように見えますが、受験生と言う異常な状況においてどちらも行き過ぎると同程度に悪影響です。INFJは自分の感情にあまりにも無頓着です(そしてそれは自分の感情を持たないということを意味しません)から、自分で自分の機嫌を取る方法を学ぶようにしてください。計画通りに事が運ぶのがベストですが、目的達成のためにはそれだけが全てではありません。「いいところ探し」をするクセを付けましょう。

 3.他人のアドバイスを聞く

 ここまで見て、「自分は消化不良の日々を過ごしてるけど他人のアドバイスをしっかり聞いてるし物事は俯瞰で見るようにしてるぞ」と不満を漏らすINFJもいるかもしれません。本当にそうでしょうか。他人にアドバイスを求めるときあなたは本当にフラットに物事を見つめなおす用意が出来ていますか?他人のアドバイスがそれなりに納得できるものだったとして、あなたはそれを実践する用意が出来ていますか?無意識に相手のアドバイスを「審査する」立場になっていないですか?

 どのタイプでも他人からのアドバイスがそのままドンピシャで自分の状況に当てはまるという状況はとてもまれで、それを正しく有用なものへと昇華するためには大抵の場合受け手の姿勢が伴っていなければなりません。双方が問題解決のためにフラットな立場で真剣に考えることで、初めて他人の意図が理解できることもあるのです。

 もちろんその相手が真剣にあなたの事を考えていることが前提にはなりますが、INFJからすればそういう点を見抜くのは造作もないことだと思います。すでにそういう点をクリアしているのだからアドバイスを求めているのだと思うのです。

 であれば、フラットな立場から問題解決に向けて自分からもアイデアを出す勇気を持ちましょう。相手が本当に信頼に足る人であれば、そのアイデアを受けて真剣にあなたにとってそれが適切なものか悩んでくれるでしょう。この人だと決めたのであれば、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の精神で自分の考えを正直に表してみてください。他者との真剣なコミュニケーションの末に獲得できる自己認識もあるはずです。

 そうと決まれば実践あるのみです。誰かと一緒に成果を生み出していく意識を持つようにしましょう。

まとめ

 どうでしょうか。INFPとINFJは表向きには頑固で地に足がつかない傾向にあり、どちらも現状を正しく認識する意識が必要という特徴を共有していながら、内面のプロセスは全く異なっていることがわかると思います。

 見た目は似ていても、自分の心理機能を正しく把握していなければ自分の気持ちと正しく接する方法が分からなくなってしまうのです。MBTIはよくできていますね。

 どちらも希少で複雑な性格を持っていますから、「どうせ他人には理解してもらえない」と思いがちですが、受験生は大抵の場合まともでない日常を過ごすことになりますから、他者のアドバイスを適切に自分の中に落とし込んでいくことがとても大切です。巷にあふれている「一般的な」受験情報や「一般的な」他者からのアドバイスをどうすれば自分の力にしていけるのか、自らの心理機能をしっかり理解した上でどう咀嚼すべきかを知っておいて損はないと思います。自分を先回りして説得するイメージを持つとやりやすいでしょう。